概要 | さんりく発ヒアルロン酸高保持剤の開発のため,1)ヒアルロニダーゼ阻害活性を有するアワビ貝殻コンキオリンの簡便な調製法,2)コンキオリンとサンマ鱗コラーゲンペプチド両成分がヒト皮膚線維芽細胞のヒアルロン酸産生に与える影響を検討した。コンキオリンに関し,1)ヒアルロニダーゼ阻害活性は従来法でのみあらわれ,2)従来法で調製したコンキオリンは線維芽細胞のヒアルロン酸産生を促進しなかった。しかし,コラーゲンペプチド単独でも濃度1mg/mlにおいて約200%の強力な促進率を示し,目標値であった150%を大きく上回った。さらに,試作したコラーゲンペプチド中の重金属(ヒ素,鉛,カドミウム,総水銀)はいずれも不検出であった。サンマ鱗コラーゲンペプチドのみでも十分ヒアルロン酸高保持剤としての機能を果たすことが期待でき,品質・安全面においても問題なく,事業化・商品化へ大きく前進する知見が得られた。
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