麹菌由来のグルコース耐性等を持つ産業化に適したβ-グルコシダーゼの開発
研究責任者 |
渡部 昭 東北大学, 大学院農学研究科 生物産業創成科学専攻, 助教
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研究期間 (年度) |
2012 – 2013
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概要 | 本研究開発では、β-グルコシダーゼについて現在産業界の課題である酵素コストの低減化、既知の酵素よりも優れた性質を有する酵素を取得することを目標とした。麹菌ゲノム情報から新たに見出した5種類の遺伝子を麹菌に導入して高発現株を作製し酵素活性を測定した結果、1種類が他に比して高活性を示したので同酵素を精製し酵素学的諸性質を解析した。本酵素は、60°C、30分処理後も活性を100%保持し、また天然オリゴ糖基質ではゲンチオビオースを特異的に加水分解した。従来ゲンチオビオースを加水分解する酵素は複数見つかっているが、本酵素のように他の基質をほとんど分解せずゲンチオビオースにほぼ特異的に作用する酵素はほとんどなく、既知の酵素には見られない特異な性質を有する酵素を発見できたものと考えられる。今後は、本酵素の糖転移活性の有無を中心にさらに解析を進める予定である。
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