炭素還元を利用した廃石膏からの酸化カルシウム再生技術の開発
研究責任者 |
加藤 貴宏 秋田大学, 大学院工学資源学研究科 環境応用化学専攻, 助教
|
研究期間 (年度) |
2012 – 2013
|
概要 | 本申請課題では、廃石膏を低温で熱処理して酸化カルシウムを再生するプロセスの開発を目的として、固体炭素を用いて、窒素気流中、最高到達温度700~1100°Cで還元したときのカルシウムの化学形態の変化を詳細に追跡した。石膏の主成分であるCaSO4をモデル試料として、熱処理におけるカルシウムの化学形態の変化に及ぼす炭素添加量の影響を調べるとともに、CaSO4の炭素還元に関わる反応の速度解析を行い、CaSO4からCaOを得るための最適反応条件を決定した。実験結果ならびに速度解析より、CaOの生成率を高めるためには、CaSO4と炭素の混合比をC/Ca=0.50とすべきであることがわかった。さらに脱硫石膏を炭素還元によりCaOに変換し、さらに脱硫石膏に含まれる水銀を、石膏からCaOへの再生過程で揮発分離する方法を検討した結果、石膏に炭素が存在する場合に水銀が迅速に気相に放出されることがわかった。
|