概要 | 本研究では,溶液プロセスと反応性通電加圧焼結(SPS焼結)を用いて低温でも作動する高性能な酸化物熱電材料を製造する技術を開発することを目的とした。そのために,チタン系酸化物と窒化チタン粉末を物理的に混合し,新規に開発した反応性SPS焼結法により熱電材料焼結体を合成した。得られた焼結体について,相,不定比性,組織の微細形態,密度なとの特性評価を行った。その結果,焼結過程で還元反応が進み,マグネリ相を含む酸素欠損型の酸化チタンからなる焼結体が生成することを明らかになった。また,熱力学的考察を加え,反応のモデル化を図った。焼結体は, 300°C以下の低温領域では,窒化チタンを3~5%程度添加した場合に特性が極大を示し,300°Cで0.2を超えるZTの値を示した。
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