光照射を利用したフレキシブルエレクトロニクス用高ガスバリア膜低温形成技術の確立
研究責任者 |
大石 知司 芝浦工業大学, 工学部 応用化学科, 教授
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研究期間 (年度) |
2012 – 2013
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概要 | 耐熱性および透明性が高い有機フィルムである脂環式ポリイミドフィルム(厚み:100μm)上へのポリシラザン緻密膜の形成を光照射法を用いて行った。作製したフィルムの透過型電子顕微鏡(TEM)による断面構造観察とガスバリア特性(水蒸気透過度、酸素透過度)の測定を行った。TEM観察よりポリシラザンは緻密なSiO2膜へと転化しており、その膜厚は333nmであることが明らかとなった。また、このフィルムのガスバリア特性は、水蒸気透過度が0.02g/m2・day以下、酸素透過度が0.02cc/m2・day以下と極めて良好な性能を示した。このフィルムは柔軟性を持ち、緻密なSiO2が表面に形成されているため表面硬度も向上することが明らかとなった。膜作製温度及び光照射時間は、150°C、20分である。膜の密着強度は高く、テープ試験による剥離は無くJIS K-5600規格0であった。また、PETフィルムに対しては120°C、20分で同様なガスバリア性能が得られた。以上のように目標値を達成することができた。
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