新規ヒト遺伝子資源「ノンコーディングRNA」を利用した疾患マーカーの開発
研究責任者 |
秋光 信佳 東京大学, アイソトープ総合センター, 准教授
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研究期間 (年度) |
2012 – 2013
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概要 | 本研究では、新たな疾患マーカータンパク質の候補検索法として、疾患と密接に関連する「ノンコーディングRNA」に着目し、ノンコーディングRNA結合タンパク質を利用した疾患マーカー分子の同定手法の開発とその有効性を実証研究することを目指している。具体的には、がん転移と密接な関係のあるノンコーディングRNAであるMALAT1に着目し、MALAT1結合タンパク質ががんマーカーとして利用可能であるかを検証する。本開発期間では、MALAT1結合タンパク質を効率的にアフィニティー回収するためのシステム構築を行った。すなわち、MALAT1に特別なRNAアプタマー配列(アフィニティー精製用のタグとして利用できる特別なRNA配列)を付加したキメラRNAを発現できる遺伝子を遺伝子工学的に作成した。さらに、このアプタマー付加MALAT1が細胞内できちんと発現することを実験的に確認した。次に、MALAT1結合タンパク質として核タンパク質を得た。このタンパク質のがんにおける機能は不明であるが、いくつかのがん細胞において高発現していることを確認した。このように、当初目標であったがんのマーカー分子候補を得ることができた。
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