概要 | イカ中骨(軟骨)は三陸の地域資源であるスルメイカなどから発生する水産廃棄物である。本研究は中骨の有効利用の一環として実施した。中骨の前処理と酵素反応条件等の検討により単糖の生成を抑え、キチナーゼによる酵素分解により選択的に「キチン2糖(N,N’-ジアセチルキトビオース)」を生成させた。その後はイオン交換樹脂通過と結晶化のみの簡便な工程でキチン2糖を調製した。一方、前処理した中骨は濃塩酸分解等により「キチンオリゴ糖(NA-COS)」に変換された。オリゴ糖混合物は活性炭カラムクロマトにより2糖から6糖に分離された。キチン2糖は次世代型N-アセチルグルコサミンと目され、キチン6糖は抗癌性や免疫賦活活性が注目されてきた。今後、量産化検討を行いつつ各試験を実施する予定。
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