概要 | 土壌からのセシウム回収を低コストで実施する方法を検討した。 各種有機酸とアンモニウム塩で作製した水溶液に乾燥水田土壌300gを浸漬し、マイクロ波で加熱を行った。また、2分加熱ごとに、試料の攪拌を実施した。100°Cに到達した段階で溶液を回収し、その後新たな水溶液を添加して、この操作を5回繰り返した。この結果、セシウム抽出率を約45%まで上昇させることに成功した。なお、総加熱時間は、500Wで43分である。 さらに、常温で5%乳酸水溶液に水田土壌(1,750Bq /kgのセシウムを含有)を浸漬させたところ、一週間で土壌表面にバイオフィルムが形成されることが明らかになった。これを回収して放射能を測定した結果、kg当たり1,500Bqのセシウムを含んでいた。このフィルムは容易に剥がせるので、新たな除染技術の開発に繋がる。
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