薬物代謝と膜透過性試験が同時に可能な細胞システムの開発
研究責任者 |
押村 光雄 鳥取大学, 染色体工学研究センター, センター長(教授)
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研究期間 (年度) |
2012 – 2013
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概要 | 医薬品の小腸での吸収率評価をin vitroで簡便に行うことは医薬品開発過程で非常に重要である。ヒト大腸癌由来細胞株であるCaco2細胞はin vitro経口吸収評価のために製薬企業等で汎用的に利用されてきた。しかし、Caco2細胞はヒト小腸上皮細胞に発現しているCYP3Aなどの薬物代謝酵素の発現が低いことが課題であった。これまでに我々は外来遺伝子を安定に高発現させることができるヒト人工染色体ベクター(HAC)を開発してきた。本研究ではHAC技術を用いて、薬物代謝酵素を安定に発現するCaco2細胞を作製し、薬物代謝能を維持した状態で膜透過性試験が可能な細胞システムの開発を行い、CYP3A4で代謝される化合物に関して、ヒト小腸での吸収率評価が可能な細胞系であることを示した。今後は民間企業との共同研究体制で細胞のバリデーションを行っていく予定である。
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