概要 | 本研究において、緑膿菌の鉄欠乏条件に応答するシグナル伝達系を標的とした新規リード化合物を探索するためのスクリーニング系の開発に成功したことを検証し、実際に化合物ライブラリー約3,000種類をスクリーニングした。その結果、一つのヒット化合物を見いだした。本スクリーニング系は緑膿菌の鉄獲得に関連したシグナル伝達系を遮断する化合物に加え、レポーターとして用いた本菌のMexAB-OprM多剤排出ポンプ阻害剤も原理的に評価の対象となる。そこで、ヒットした化合物の活性を詳細に検討したところ、本化合物の標的はMexAB-OprMポンプであることが明らかとなった。今後はより広範な化合物ライブラリーのスクリーニングに向け外部研究機関との連携を模索し、多剤排出ポンプ阻害剤も含め新規な活性化合物の探索を進めて行く予定である。
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