フラボノールの金属還元―空気酸化によるアントシアニンの大量合成法の確立
研究責任者 |
吉田 久美 名古屋大学, 大学院情報科学研究科, 教授
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研究期間 (年度) |
2012 – 2013
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概要 | アントシアニンは、各種機能性が期待されるポリフェノール色素である が、従来その供給は天然からの抽出に頼っており、合成も多段階を要し容易で はない。本研究では、申請者等が開発した配糖化フラボノールの金属還元-空 気酸化の2段階反応によるアントシアニンへの変換反応の条件討と色素精製法の改良を行った。汎用性が高く、簡便かつ高収 率での各種フラボノールおよびフラボンからアントシアニンへの変換法を確立 した。現在、数gスケールの反応が可能となり、純度90%以上の色素を70%以 上の収率で得ている。さらに、メチル化フラボノールの合成とメチル化アントシアニジンへの変換も実行した。今後 は、本法の適用による多種類の非天然型を含むアントシアニンの多量供給が実 現し、抗がん、抗動脈硬化、眼精疲労の緩和など各種の薬理作用、サプリメン ト作用の研究、色素増感太陽電池の色材研究の展開が期待できるものと考えている。
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