研究責任者 |
谷原 正夫 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授
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研究期間 (年度) |
2012 – 2013
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概要 | 胚性幹細胞やiPS細胞の培養にはフィーダー細胞やゼラチンなどの足場が必要である。また、幹細胞の分化を開始するために一旦足場から脱着して胚葉体様凝集体を形成させる必要がある。本研究責任者は環状骨格を持つ接着ペプチドを結合した基材が胚性幹細胞の接着と未分化性を支持できることを見いだし、特許出願を行った。本申請では接着ペプチドを光で基材から切断することにより、幹細胞の増殖と胚葉体形成を同一の足場材料上で可能にする。これにより、動物由来の材料を使用しないメリットに加えて、細胞の脱着操作や培養容器の交換が不要になり、幹細胞の生存率の低下や感染のリスクを大幅に低減でき、再生医療の実現に貢献できる。 幹細胞増殖基材としては必要十分な性能を達成し、光切断を利用した本基材のコンセプトが妥当性は検証されたが、光照射による幹細胞の脱着制御は不十分であった。 光脱着率の向上と、脱着した幹細胞の分化を確認後、提携企業の調査と共同研究を実施する。
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