概要 | 血管内皮機能障害は動脈硬化性疾患などの発症・進展につながるが、その機能障害は修復可能である。血管内皮特異的な薬物送達システムの開発を目指し、血管内皮上の酸化LDL受容体に作用し特異的に取り込まれる1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-[ホスホ-(1-グリセロール)]からなるリポソーム(DOPG-SUV)への薬剤封入法を検討した。その結果、脂溶性のCaチャンネルブロッカーであるアムロジピンをDOPG-SUVの内部に封入したDOPG-SUVは、より低濃度で血管拡張効果のある一酸化窒素の放出を促進することが示された。一方、水溶性のRho-kinase阻害剤であるファスジルを封入した場合には、顕著な効果は確認されなかった。
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