概要 | これまでの研究成果を背景に, 有機半導体を基盤としたシンプルで活性な光触媒システムの構築に関する研究を行った. 基体上にペリレン誘導体PTCBI(n型)/コバルトフタロシアニンCoPc(p型)を積層し, このp/n型有機フィルム(酸化サイト)と白金線(還元サイト)を外部導線で連結する方法で光触媒システムを構成した. 本光触媒システムではp/n型有機フィルム中のCoPc上に生じる光誘起の酸化力を使って分解反応が起こり, 特にアンモニアボランの酸化分解の際には, 約5.0 L/m2(6時間照射)の水素をもたらすことが明らかとなった. 本研究を通して, 全可視光応答型の目的の光触媒システムが見いだされた. 今後は研究シーズとニーズのマッチングを探りながら, 適用対象を明確にした上で有機光触媒の具体的な応用展開を図る等を構想している.
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