アブシナゾール処理による植物への乾燥耐性および塩耐性付与技術の開発
研究責任者 |
近藤 悟 千葉大学, 大学院園芸学研究科, 教授
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研究期間 (年度) |
2012 – 2013
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概要 | 本技術はABA代謝に関与する酵素活性を、外生的な散布処理による簡易な技術によって気孔開閉等を調節し、植物に耐塩性等を付与するものである。NaCl処理は、葉の縮れおよび黄変などの障害を引き起こした。一方、アブシナゾール処理はこれらNaCl障害の程度を軽減した。すなわち、水ポテンシャルは、NaCl処理では処理後から大きく低下したが、アブシナゾール処理葉の水ポテンシャル値は無処理と有意差がなかった。また葉の気孔の開度はアブシナゾール処理により低下した。アブシナゾール処理区では、葉の内生アブシシン酸濃度は処理後有意に増加した。以上の結果は、アブシナゾール処理による内生アブシシン酸の蓄積がより早い気孔閉鎖を誘導することにより葉の水分ポテンシャルを維持し、NaCLに対する塩ストレス耐性を増加させたものと考えられた。
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