概要 | 本プロジェクトでは、高出力光源「ジャイロトロン」から出力される高出力テラヘルツ波を用いて極低温高磁場中の巨大な電子スピン分極を核スピンに移行する(動的核偏極(DNP))ことにより、固体NMR分光を1000倍以上高感度化する方法(DNP-NMR分光)を実現することを目的とする。このため、光源「ジャイロトロン」に新たな機能として周波数変調及び12時間に及ぶ長時間安定動作を実現し、NMR装置に装備することに成功した。かくして高性能化した「ジャイロトロン」を用いたDNP-NMR分光により、200MHz, 300MHz 及び600MHz プロトンNMR分光の感度をそれぞれ50倍、60倍及び30倍高めることに成功した。今後、世界最高周波数である700MHz DNP-NMR 分光を実現するための460GHzジャイロトロンの開発を進めている。
|