アシルジュグロンを母核とした抗炎症・抗アレルギー剤の開発
研究責任者 |
倉持 幸司 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授
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研究期間 (年度) |
2012 – 2013
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概要 | がんや炎症性疾患の治療において、強力な薬理活性を持ち、副作用が少ない新薬の開発は急務の課題である。研究代表者らは、植物由来成分であるプルンバギンの5 位水酸基をアシル化したアシルプルンバギンの化学合成に成功した。合成したアシルプルンバギン10物質のうち、8物質は新規物質であり、そのいくつかに優れた抗腫瘍活性、抗炎症活性、抗アレルギー活性を見出した。特に抗炎症活性は市販の抗炎症剤であるグリチルレチン酸よりも1.5倍、抗アレルギー活性は市販の抗アレルギー剤であるトラニラストよりも2倍以上強力であった。またアシルプルンバギンは、ヒト正常細胞には毒性を示さず、ヌードマウスへの投与でも体重減少は確認されなかった。ラットへの単回大量投与試験においても急性毒性を示さなかった。これらの結果からアシルプルンバギンは副作用が少ない理想的な抗がん剤・抗炎症剤の有力候補と判断できる。
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