高力ボルトのすべり摩擦減衰機構をモーメント抵抗接合部に利用した木質ラーメン架構の開発
研究責任者 |
小松 幸平 京都大学, 生存圏研究所, 教授
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研究期間 (年度) |
2012 – 2013
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概要 | 2010年5月に公布された「低層公共建築物の木造化促進法案」によって大型木造建築物が確実に増加する見込みである。しかし、大地震の発生確率が高い日本では、大型木造建築物の耐震化が喫緊の課題である。 本研究では、変形メカニズムが明確な「高力ボルト接合」における鉄の辷り摩擦に依存した減衰機構を利用して、既往の木質ラーメン架構を、大地震発生前には限りなく変形しづらく剛に、一旦大地震が発生した際には高力ボルトが辷りを起こして、大きな揺れに対しても木部を破壊させず、どこまでも粘り強く変形する能力を持った「高剛性・高靱性」な架構に変身させる技術を開発する。しかも応用する技術は、既往の接合部を僅かに修正するだけの低コストでかつ効果的な技術の開発を目指す。 この目標を達成するため、木質ラーメン構造で重要な接合形式である柱の両方から梁が取り付いた十文字型柱-梁接合部の実大部分実験を行い、柱のパネルシアー破壊の補強効果、接合部の変形能力等を実験的に確認するとともに、柱のせん断性能の補強に対して全ネジスクリュー斜め打ち補強法の効果を確認する実験を行った。
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