概要 | 1,5-アンヒドログルシトール(AG)は、低濃度であるが自然界に広く分布している。本研究は、生薬オンジ(イトヒメハギ科植物の根)に高含量(約5%)含まれるAGの精製方法を確立するとともに、未だ十分に明らかにされていないAGの生理機能や利用法を検討することを目的とする。AGは生薬オンジ粉末から酸で抽出後、活性炭処理し、加熱濃縮後、イオン交換カラムクロマトグラフィー法で高収率(3.6~5.2%)・高純度(95.4%)に精製することができた。AGの生理機能性面では、ラットにおいて、グルコース負荷による血糖値上昇を用量依存的に抑制したことから、肥満を予防する新規機能性糖として期待される。AGのもう一つの利用面において、酵素法で、抗酸化活性、抗褐変活性、抗菌活性など種々の機能性を有する1,5-アンヒドロフルクトース(AF)へ転換させる反応条件を見出した。今後さらに改良を加え、大量精製に向けて検討して行きたい。また、AG/AFの生体への影響(吸収、分布、代謝、排泄)について検討して行きたい。
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