概要 | 第3成分の添加により菱面晶系と正方晶系の相境界MPBの傾きを調整し、非鉛系圧電材料に温度安定性に優れた垂直なMPBを形成できた。その組成は0.075BaZrO3-0.915x(K,Na,Li)NbO3-0.01(Bi,Na)TiO3であり、キュリー温度が270度である。固相反応で合成した粉末を約200nmに粉砕し、2段階焼結することで密度約4.59g/cm3、粒径約2μmのセラミックス焼結体が得られた。また、1mol%CuOの添加と980度5時間の普通焼結で、試料密度(4.46g/cm3)と緻密化できた。しかしテープキャスティング法での粒子配向セラミックス作製については、水熱合成法で作製した板状NaNbO3テンプレートの融点が低かったため満足な焼結が達成されていない。本研究では、圧電常数d33約300pC/Nで、且つ温度安定性も優れた試料と製法知見が得られた。
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