新規ビタミンC誘導体-亜鉛錯体による膵β細胞保護治療薬の開発
研究責任者 |
安井 裕之 京都薬科大学, 代謝分析学分野, 教授
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研究期間 (年度) |
2012 – 2013
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概要 | 申請者は亜鉛錯体およびビタミンC誘導体が、独立した経路によって膵臓の発生と分化に関連する転写因子であるPdx-1の遺伝子発現を上昇させ、タンパク質Pdx-1のリン酸化・活性化を促進し、インスリンの発現および分泌作用を示すことを培養細胞系から見出した。そこで、最初に選択したアスコルビン酸を配位子とした亜鉛錯体Zn(ac)2は、1型糖尿病モデルマウスの血糖値を有意に低下させたが、その作用点は膵臓よりむしろ肝臓における転写因子Foxo-1の活性化によるものと示唆された。今後は、標的臓器とターゲット分子、およびそれらの治療効果への寄与率をより明確にできれば、知財権確保の動機(用途特許を目指した特許出願)が生じると考えられ、その時点でより具体的な創薬戦略を樹立する。
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