脊椎固定術において臨床成績を大幅に改善する新型スクリューの開発
研究責任者 |
稲葉 忠司 三重大学, 大学院工学研究科, 教授
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研究期間 (年度) |
2012 – 2013
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概要 | 本研究では、現状の片側ペディクルスクリュー(以下PS)固定法の問題点であるスクリューの空転を防ぐ具体的な機構を考案・開発するとともに、開発したスクリューの固定力を力学試験により検証した。空転防止機構としては、大腿骨頸部骨折治療用インプラントの先端部開口機構を参考にし、スクリュー形状や開口寸法等を脊椎用に最適化することにより、椎体内での空転防止機構を付与したPS(先端部開口機構付き脊椎固定術用PS、以下EPS)を開発した。力学試験の結果、開発したEPSは、引抜き試験およびねじり試験における種々の評価項目において従来のPSよりも高い固定性を示すことが分かった。特に、ねじり試験においては、従来のPSに比べ、最大トルクに関しては6.5倍、回転エネルギーに関しては9.0倍もの値を示したことから、本EPSの先端部開口機構は、現状の片側PS固定法の問題点であるスクリューの空転を抑制する上で極めて効果的であることが示唆された。
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