概要 | マイクロRNA(miRNA)は22塩基程の小さなRNAであり、ターゲットのmRNAに結合してその発現を抑制する。腫瘍特異的に発現が亢進するmiRNAは癌遺伝子的作用を有する可能性があるとされる。我々は臨床尿路上皮癌においてmiRNAのプロファイルを報告し、既に2つのmiRNA (miR-96, miR-183) は尿検体での検出が可能で、腫瘍マーカーとしての有用性を既に確認していた。今回、新たなmiR-Xについて肉眼的血尿を主訴とする外来受診患者において、尿中miRNA測定による尿路上皮癌の検出効率を前向き試験として実施し、腫瘍マーカーとして有用であることを確認した。既に特許の権利譲渡が成立したため今後は産学連携による実用化が期待される。
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