がん患者のうま味受容体発現とうまみ成分を利用した治療食品探索
研究責任者 |
堤 理恵 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教
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研究期間 (年度) |
2012 – 2013
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概要 | 本研究では、頭頸部癌患者が放射線・化学療法中に生じる味覚障害の原因として、味覚受容体の発現減少の関連性、うま味成分(MSG)を付加することで受容体発現が増加するかを検討することを目標とした。さらにこの結果を踏まえ、味覚異常患者用治療食開発に結び付けることも目標とした。達成度として、放射線・化学療法により甘味・うま味に関与する味覚受容体発現が減少し、苦味受容体は増加することがわかった。また、MSGを添加した食事の摂取により受容体発現が増加することも明らかとなった。一方で、嘔吐などの副作用を考えると食事よりより栄養価の高い栄養食品を開発することが求められると考えられた。今後の展開として、うま味成分を増量させ、かつ嚥下痛などを有していても飲み込みやすい物性・食感のものを治療食品として開発していきたい。
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