光情報処理デバイスの高速化に向けた半金属ナノ粒子複合体材料の開発
研究責任者 |
平井 誠 奈良工業高等専門学校, 電気工学科, 准教授
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研究期間 (年度) |
2012 – 2013
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概要 | 本研究では、Ti-N-O、Cr-N-O、並びにCr-Al-N-Oといった遷移金属酸窒化物薄膜の抵抗率を酸素含有量によって制御できた。特に、Cr-N-O薄膜においては、酸素含有量が0 ~ 20 at. %まで変化することで、表面抵抗率が102 ~ 1011 Ω/cm2の広い範囲で変化することが分かった。これは酸素原子の置換固溶により、遷移金属のd軌道に電子が入り、結合成分の寄与が弱まるために全体の電気抵抗が増加したと言える。そして、SiO2基板やTi-O層上に金属Ag超微粒子を分散させることで、SPR吸収波長が0.42 ~ 0.84 μmの可視から近赤外域において変化した。また、金属Agと半金属Siから構成される超微粒子のUV-Vis測定結果より、超微粒子自体の導電率を制御することによってもSPR吸収波長の制御に繋がることが示唆された。これらは計画している半金属ナノ粒子複合体材料による可視から赤外域におけるSPR吸収波長の制御に対しても有用であり、光情報処理デバイスへの展開に向けても大変意義深い。
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