パイ(π)電子不足系芳香族化合物へのトリフルオロメチル基導入反応の開発
研究責任者 |
高須賀 智子 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), その他
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研究期間 (年度) |
2012 – 2013
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概要 | 我々は既に、銅試薬を用いたパイ(π)電子不足系芳香族化合物への簡便かつ効率的トリフルオロメチル(CF3)基導入法を開発している。しかし、環境に及ぼす銅の影響を考慮に入れ、入手および回収がより容易である銀や鉄試薬を用いて、パイ電子不足系芳香族化合物へのCF3基導入法を検討することを、本研究の目的に設定した。鉄試薬を用いた芳香族へのCF3基導入反応は、CF3IとFenton試薬を用いた反応の一例が知られているのみであり、未開拓の分野と言える。種々検討した結果、取扱い容易なRuppert-Prakash試薬(CF3TMS)とフッ化銀から生成できる[CF3Ag]に対して、鉄試薬とラジカル発生剤を作用させてCF3ラジカルを発生させ、ピリジノン骨格への導入を試みたところ、粗収率50%で3-CF3化ピリジノンが得られることが判明した。今後、さらに反応条件を最適化し、基質適用範囲を拡大する。
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