概要 | 紙の原料として一般的に使用されているセルロース繊維の針葉樹クラフトパルプ(NBKP)をTEMPO酸化すると生じる同パルプ表面のカルボキシル基による金属吸着能に着目し、パラジウム(Pd)を担持させたセルロース繊維を作製した。この繊維は抄紙(紙漉き)を行うことによって、紙のようにシート化することができ、得られたPd担持シートは鈴木-宮浦クロスカップリング反応における触媒として有効に作用することが明らかとなった。同シートは触媒回転数(TON)100,000を達成し、繰り返し使用にも耐え得ることが分かった。一般的な抄紙過程と同様の工程で作製可能なシート状触媒となっており、目標としていた今後の実用化により即した研究開発結果が得られた。
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