新規バイオマーカー探索としての大腸癌・大腸鋸歯状病変のゲノムワイドDNAメチル化とmicroRNA発現異常の網羅的解析
研究責任者 |
能正 勝彦 札幌医科大学, 医学部, 助教
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研究期間 (年度) |
2012 – 2013
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概要 | 我々は大腸癌でゲノムワイドDNAメチル化の指標となるLINE-1メチル化レベルと相関を示すmiRNAを同定するためアレイでその発現を網羅的に解析した。その結果、LINE-1と強い相関を示したmiR-31が同定された。このmiR-31を多症例の大腸癌で検証したところLINE-1だけでなくBRAF遺伝子変異とも相関を認めた。よってmiR-31はEGFR下流シグナルを制御する可能性があるため、抗EGFR抗体薬投与例で効果予測因子として有用であるか検討。その結果、その高発現群では無増悪生存期間が有意に短いことが明らかとなった。大腸鋸歯状病変でもその発現を検討したところmiR-31はその発育進展に重要な役割を果たしている可能性が示唆された。よって今回同定されたmiR-31は大腸癌の分子診断や標的治療の新たなバイオマーカーとして期待される。
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