生体適合に優れたリン脂質による難水溶性薬物の溶出性改善
研究責任者 |
綿野 哲 大阪府立大学, 大学院工学研究科, 教授
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研究期間 (年度) |
2012 – 2013
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概要 | リン脂質ポリマーは、細胞膜を構成するリン脂質と同様に親水基と疎水基を合わせもつ両親媒性を示し、優れた生体適合性と吸・保湿性を有している。我々は、このポリマーのもつ特性に着目し、難水溶性薬物の溶出性改善の可能性を見出した。本研究では、難水溶性を示す鎮痛解熱剤であるエテンザミドおよびインドメタシンを対象薬物とし、それらの溶出性改善をリン脂質ポリマーを用いた湿式粉砕により試みた。その結果、薬物をサブミクロン領域まで微細化でき、また、初期溶出速度を1オーダー以上改善することに成功した。さらに、湿式粉砕による比表面積の増加とリン脂質の界面活性効果が、溶出特性の改善に寄与することを解明した。
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