概要 | 本研究では「人工ゼオライト吸着」と「イオン液体電析」の連携による白金族金属及び希土類金属の効率回収を検討した。自動車排ガス触媒を出発物質として、触媒成分をアミド酸に90°C, 500rpmで溶解させた。その後、人工ゼオライトを投入し、白金族金属の吸着処理を行った結果、白金族金属の分離率は71.6%に達した。白金族吸着後、人工ゼオライトを固液分離し、pH調整により白金族元素を別の電解槽中に脱着処理させた。脱着処理後、定電位電解を実施して、白金族金属:463.1mgを回収できた。引き続く金属塩合成工程にて酸成分を除去し、希土類金属塩を合成した。本合成収率は85%以上であった。希土類金属塩を回収後、イオン液体に溶解させて、定電位条件下で電析試験を実施した。46.2mgの希土類金属(La,Ce)を回収し、陰極電流効率は67.4%であった。本研究成果として、「酸溶解~人工ゼオライト吸着~脱着~白金族金属の電解析出~希土類金属塩の合成~希土類金属の電解析出」に至る一連の工程の特許出願まで完了した。
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