概要 | 本研究課題では、世界的な農業害虫であるアザミウマに対する新規殺虫剤の探索法の確立を目指して、以下のような実験系の構築を試みた。 (1)「蛹のような時期」から成虫への変態阻害活性を指標とした殺虫活性検定系 (2)「蛹のような時期」におけるJH誘導性遺伝子の発現量を指標としたJH撹乱物質検出系 最終的には、(1), (2)の両方において簡易な検定系を構築することができ、ミカンキイロアザミウマに対して殺虫活性を示すJH撹乱物質3個を選抜することに成功した。将来的にはこの実験系を応用して、より大規模の化合物ライブラリーから新規殺虫剤のスクリーニングが可能となると期待される。また、そのような殺虫剤が実現すれば低薬量でアザミウマを効率よく防除できるため、農薬による環境への負荷を軽減できると考えられる。
|