研究責任者 |
清水 祐公子 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門 温度湿度科 放射温度標準研究室, 研究員
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研究期間 (年度) |
2012 – 2013
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概要 | 近年利用が急速に拡大してきた熱画像装置は、測定データの信頼性向上が強く要求されている。本研究では、定量的な熱画像データの取得のためのオンサイト校正器に必要な、高放射率小型黒体空洞技術を確立することを目標とした。その黒体空洞は、小型でありながら放射率が限りなく1に近く、可視から遠赤外領域において波長依存性をもたないことが必須であり、この課題を、カーボンナノチューブを空洞壁面の一部に適用することで解決した。これにより、空洞長を目標値の150mmと短くしても、実効放射率は熱画像装置の波長帯10μm付近で0.997となり、目標値以上の放射率を有した小型空洞技術が確立された。波長依存性による不確かさは従来技術の10分の1である0.1°Cにまで大幅に改善することができ、校正の不確かさ目標値を達成した。今後は、本技術を市販の低放射率小型空洞にも適用した黒体空洞を製作し、広く普及させる。
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