研究責任者 |
前島 正義 名古屋大学, 大学院生命農学研究科, 教授
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研究期間 (年度) |
2012 – 2013
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概要 | 亜鉛は植物にとって必須微量元素であり、亜鉛不足は植物の生育遅延をもたらし、過剰亜鉛は根の伸長および植物全体の生育抑制をもたらす。亜鉛の吸収、組織への分配、細胞での蓄積において機能する膜輸送体に注目し、個々の輸送体の機能と特質を解明し、亜鉛の蓄積能力の向上を目的として研究を進めている。研究期間で次の成果を得た。 (1)細胞内の過剰亜鉛を液胞に蓄積する輸送体MTP1の機能構造、とくに亜鉛濃度センサーとして機能すると推測される部分の生化学的、分子構造的特性を解明し、論文として発表した。 (2)改変型MTP1遺伝子を植物に導入し、培地の亜鉛濃度の多寡、すなわち亜鉛の過剰と欠乏に対する生育特性の解析を進めた。MTP1改変分子の発現は、予測とは逆に、亜鉛欠乏への感受性を高めるなどの新知見を得た。亜鉛高蓄積への改変のためには、葉・茎特異的に発現する必要があることが示唆された。 (3)他の亜鉛輸送体MTP12あるいはZIP13の分子構造、輸送基質特異性等の解析を進めた。
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