概要 | 本研究では、風力用超電導発電機の過渡安定性を向上させるために線間無絶縁および絶縁体の代わりに導体テープを挿入する全く新しい概念の超電導コイルを提案し、その有効性について実験的に検証する目的で行った。YBCOとGdBCO高温超電導線材を用いて5ターンから10ターン巻の絶縁・無絶縁・導体挿入(Cu, Brassなど)試験コイルを製作し、各試験コイルの最少クエンチエネルギーやクエンチ電流を評価することで提案したコイルの過渡安定性について評価し、その有効性について証明した。また、巻線張力が可変できる実験装置を開発し、無絶縁コイルの巻線張力と臨界電流低下の関係を明らかにすることで新しく提案した無絶縁超電導コイルの最適作製法を示した。そして、実験的に求められた線間方向への電気的接触抵抗特性を参考値として電磁場数値解析を行った。、しかしながら、実用化に向けては、100ターン以上のコイルにより、コイルのインダクタンス特性を評価することが必要であり、今後、当学の研究推進産学官連携機構の支援のもとに、競争的資金の獲得、企業との連携等を積極的に進め、実用化の検討に必要な線材量を確保し、引き続き研究を進める計画である。
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