研究責任者 |
足立 亨介 高知大学, 教育研究部自然科学系農学部門, 准教授
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研究期間 (年度) |
2012 – 2013
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概要 | アオリイカは高価で、成長が早く、増肉係数も低いことなど養殖に有利な点を持つにもかかわらず、産業としてとして着手されていない。特に人工受精・孵化技術に関しては受精卵の発生に関わる特殊な因子が要求されるなど、独自の発生システムをもつこともあってか、これまでに研究の前例がない。本研究では人工受精卵の孵化を誘発する因子を入手し、人工受精させたアオリイカの卵(100粒以上)を50%の確率で孵化させる手法を確立することを目標とした。その結果、本種の輸卵管を生化学的に粗分画することに成功し、本画分の添加によってアオリイカ人工受精卵では成果を上げるには至らなかったものの、同じ頭足類であるスルメイカ人工受精卵で237卵中、94卵の孵化に成功した(孵化率約40%)。本研究のように生化学的な分画を導入した人工孵化技術は頭足類初であり、得られた結果はアオリイカのみならずイカ類種苗を得るための基盤的な技術になると考えられる。
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