タウ蛋白オリゴマーを介したアルツハイマー病の分子機序の解明
研究責任者 |
濱野 忠則 福井大学, 医学部医学科第二内科, 講師
|
研究期間 (年度) |
2012 – 2013
|
概要 | アルツハイマー病(AD)の主要な病理学的所見は、神経原線維変化(NFT)と老人斑である。 NFTは高度にリン酸化し、重合したタウ蛋白から形成される。NFTの中間代謝産物であるタウ蛋白オリゴマーは神経細胞死をもたらす。研究責任者らは、Tet-Offインダクションを導入し、培養液中のテトラサイクリン(Tet)を除去することによりADの原因物質である3種類の野生型タウ蛋白を発現する神経系細胞を用いた検討を行う。本細胞系は、短時間で十分な量のタウを発現量することができ、オリゴマー形成も可能となる。さらにTet濃度に応じて、オリゴマーの発現量も自在に調節可能であり、優れた薬剤スクリーニング・ツールとなりうる。 本研究において、タウ蛋白オリゴマー形成機序の解明を行うとともに、ADの危険因子である2型糖尿病や脂質異常症といった生活習慣病の治療薬によるタウ蛋白リン酸化、オリゴマー形成抑制効果について検討し、AD治療への応用につなげる。
|