次世代携帯電話に向けた高速・低損失SAW基板構造の開発
研究責任者 |
垣尾 省司 山梨大学, 医学工学総合研究部, 准教授
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研究期間 (年度) |
2012 – 2013
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概要 | 圧電結晶LiNbO3基板上に、基板よりも縦波速度の速いアモルファスAlN薄膜を装荷することにより、高音速な縦波型リーキーSAWのバルク波放射に起因する損失が格段に低減することを、理論的、実験的に明らかにした。装荷膜厚を波長の1/5程度とすると、伝搬損失は未装荷試料の約1/10の0.03 dB/波長に減少すること、伝搬路長が50波長の送受電極間の挿入損失は、未装荷試料の値から約30dB減少することを明らかにし、伝搬損失の目標値を達成した。しかし、圧電性を有する単一配向AlN薄膜を成膜すると、内部応力により薄膜表面にクラックが発生したため、結合係数の目標値5%には至っていない。今後は、単一配向AlN薄膜の成膜条件を確立し、次世代携帯電話用フィルタへの応用を推し進める。
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