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薄膜電解質のローカルエピタキシャル成膜とその固体酸化物型燃料電池応用

研究課題

産学が連携した研究開発成果の展開 研究成果展開事業 研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP) 探索タイプ

研究責任者 内山 潔  鶴岡工業高等専門学校, 電気電子工学科, 教授
研究期間 (年度) 2012 – 2013
概要固体酸化物型燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell: SOFC)は高効率の発電方法として注目されているが、動作温度が1,000°Cと高温で高価な耐熱材料を用いる必要があることから、装置コストが高くなってしまうという問題があった。そのためSOFCを普及させるためには、中温域(600°C以下)で動作するSOFCの開発が必須とされている。 この問題の解決のため、申請者は多孔質ステンレスにパラジウム(Pd)メッキした基板を用い、その上にプロトン伝導性酸化物薄膜を固体電解質として形成した薄膜SOFCの開発を行っている。本研究では電解質薄膜の高品位形成技術の探索とそれを用いたSOFCセル作成技術の開発を行い、その発電特性を検証することで本提案のSOFC構造の優位性を実証することを目的とした。 本FSステージを通じて、薄膜SOFCに適した材料や工法等の探索を行った結果、多孔質ステンレス上に作製した(La0.6Sr0.4)(Co0.2Fe0.8)O3(空気極)/ Sr(Zr0.8Y0.2)O3(電解質薄膜)/Pdメッキ層(燃料極)/多孔質ステンレス基板の構造において、450°Cの低温で0.76Vの解放端電圧(OCV:Open Circuit Voltage)と1.5mW/cm2の最大出力密度を得ることに成功した。また、Pd箔上に作製した同構造のSOFCセルでは650°Cで146mW/cm2の最大出力密度が実現できることを確認した。 これらの結果より、本提案のSOFC構造によれば、中温域で動作するSOFCが実現可能であることを見出した。今後、さらに構造や材料の最適化を行うことでより高い発電効率が得られるものと考えられ、それらが達成されればエネルギー問題解決の一助になるものと期待される。

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JSTプロジェクトデータベース掲載開始日: 2016-04-26   JSTプロジェクトデータベース最終更新日: 2025-03-26  

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