新規慢性骨髄白血病モデルを用いた、抗ケモカイン療法の開発
研究責任者 |
向田 直史 金沢大学, がん進展制御研究所, 教授
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研究期間 (年度) |
2013
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概要 | 我々が新規に開発した慢性骨髄性白血病モデルを用いて、1)慢性骨髄性白血病の病態形成におけるケモカインCCL3の病因的役割の明確化、2) CCL3を標的分子とした慢性骨髄性白血病の新たな治療戦略の確立の2点を本課題では目指した。その結果、CCL3は慢性骨髄性白血病の発症過程に密接に関与しているのみならず、慢性骨髄性白血病の分子標的薬であるチロシン・キナーゼ阻害剤(TKI)に対する耐性機構にも関与していることを示唆する結果が得られた。ヒト慢性骨髄性白血病患者の解析から、TKIに対する感受性とCCL3発現とが逆相関する可能性が示唆され、CCL3がTKI治療のバイオマーカーとなる可能性も示唆された。さらに、大腸がん発症に対するCCL3阻害剤の予防効果を示唆する結果も得た。今後、大腸がん接種モデルでのCCL3阻害作用因子発現ベクター投与の効果を実証し、CCL3阻害作用を指標として得られたヒット化合物に関して非臨床レベルでのProof of Conceptを得ることを計画している。
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