概要 | 低価格化,環境適合のため,レアメタル・有毒元素を含まないCu2ZnSnS4(CZTS)を光吸収層とする薄膜太陽電池を大気圧下で作製している.これまで,低効率の原因となる塩素を含まない原料溶液を用いることでガラス上に高品質なCZTSを堆積できる,しかし,モリブデン電極へ堆積させると剥離することがわかっていた.そこで,本課題では塩素無し原料溶液でも剥離しない堆積法の開発を目標とし,それによる効率改善を試みた.剥離が炭素を多く含む中間層に起因することがわかったため,水蒸気雰囲気での加熱処理,紫外線・オゾン照射で中間層低減を試みた.その結果,剥離防止・中間層低減はできた.しかし,完全には中間層がなくならず効率改善には至らなかった.剥離防止はできたので,今後は剥離しない状態での炭素除去法を検討し,効率改善を目指す.
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