研究責任者 |
木下 彩栄 京都大学, 医学研究科, 教授
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研究期間 (年度) |
2013
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概要 | 正常圧水頭症(NPH)は認知症患者の数%を占めるとされるが、現時点では特異的なバイオマーカーによる診断方法は確立されていない。本研究は、NPHとアルツハイマー病(AD)を鑑別するための新規髄液検査方法の開発を目的に立案し、NPH患者・AD患者・その他の疾患を有する対照群の髄液を用いて、ELISA法でマーカーとなる蛋白質を測定した。その結果、NPH群はAD群と比較して髄液のtauが有意に低値を、Aβ42においては高値を示した。しかし、当初の予想に反し、AQP1に関しては、統計的に有意差は認められなかった。NPHとADの鑑別マーカーとして、髄液のtauとAβ42は有用であると考えられる一方、新規性に欠けるため特許申請には至らなかった。今後も特異的マーカーの探索を継続していきたい。
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