新規がん転移抑制剤の創製を目指したCaMキナーゼホスファターゼ特異的阻害剤の研究
研究責任者 |
石田 敦彦 広島大学, 総合科学研究科, 准教授
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研究期間 (年度) |
2013
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概要 | 本研究では、CaMキナーゼホスファターゼ(CaMKP)の特異的阻害剤が、細胞毒性の低い、すなわち副作用の少ない新しいタイプのがん転移抑制剤として有効かどうかを検証した。乳がん細胞株を用いた細胞遊走アッセイにおいて、CaMKP阻害剤は細胞に殆ど毒性を示さない濃度で細胞極性の形成を抑制することにより、遊走を顕著に阻害することが判明した。従って、これらの化合物は進行がんの転移・浸潤のみを抑制する副作用の少ない新規がん治療薬、或いはその開発のためのリード化合物となる可能性が期待できる。今後、様々な阻害剤アナログを合成し、CaMKP阻害活性、細胞遊走・浸潤阻害活性を指標にして、より有効な阻害剤を創製していきたい。
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