概要 | 全フッ素化結晶性樹脂であるPFA,並びに部分フッ素化結晶性樹脂であるETFEを用い,耐熱性ナノ複合化フィルムの形成に成功した.上記の樹脂は,それぞれ有機溶媒に不溶・難溶の性質をもつ.加えて融点は260~280°Cに至るため,ナノフィラー表面処理物との複合材料化は,溶融混練,かつ熱分解温度が300°C近い有機化ナノ粒子との組み合わせに限られる.今回,長鎖四級ホスホニウムカチオンで,高効率に表面修飾(特開2011-063475)を施した有機化モンモリロナイトを開発し,耐熱温度320°Cを達成した.得られた耐熱性有機化フィラーをPFA,ETFEと溶融混練を施し,初めての高融点フッ素樹脂ナノ複合化フィルムを創成し,電線材料候補物として関連企業に技術移転を行った.
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