概要 | 機械的ぜん動運動を加えることが可能なフローセル流路をポリジメチルシロキサン(PDMS) 素材で作製した.作製したデバイスを液流れ制御システムに接続した状態で,ヒト腸管上皮細胞Caco-2を培養したところ,ぜん動運動を負荷しながらの培養が可能であることがわかった.Caco-2細胞の分化指標であるアミノペプチダーゼ活性を測定することで,ぜん動運動を負荷しながら培養した場合は,その他の条件と比較して高い活性を示し,分化が促進されていることが裏付けられた.続いて,大腸菌O157:H7の付着試験を試みたところ,本システムを用いた長期培養では,気泡が発生し分化したCaco-2細胞を剥離させるという問題点が明らかとなった.今後は,この点について改善を行い,付着性試験ならびに最終目標である付着制御物質の発見へと展開していく予定である.
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