概要 | 本研究開発では,マルチホップ型の新しいすれ違い通信を使って,広範囲なデータ伝送を可能にするユーザ位置制御技術の研究開発に取り組んだ.従来のすれちがい通信では,ユーザ位置の移動によってネットワークの接続形態が変化するため,データを常時伝送することができない.そこで,各ユーザから収集した位置情報を基に,広範囲なデータ伝送が可能になる各ユーザの最適位置を導出する技術を検討した.さらに,現在の位置情報を取得し,他の端末へ各ユーザの位置情報を転送するスマートフォン用アプリの開発に取り組んだ.このスマートフォン用アプリは,無線LANなどの既存通信インフラを使用せずに各ユーザの位置情報を取得することができるため,最適位置情報技術と組み合わせることで,大規模災害時などの通信インフラが使用できない場合での利用が期待できる.しかしながら,研究開発実施機関に本アプリの開発を完了することができなかったため,今後も引き続き開発を続けていく予定である.
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