血中脂肪酸代謝解析による高精度自閉症早期診断マーカーの確立
研究責任者 |
松﨑 秀夫 福井大学, 子どものこころの発達研究センター, 教授
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研究期間 (年度) |
2013
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概要 | 自閉症児童の血中脂質VLDL分画は定型発達児童に比べて低下している。この所見に関連の深い代謝産物を特定する目的で、新たに収集した自閉症児群・定型発達児群各30例の末梢血血清を対象にメタボローム解析を行った。CE/LC-TOFMS解析で血中の標的代謝産物1200種を測定したところ、まず258種が検出され、うち83種で自閉症児群に有意な変化が認められた。代謝産物と中性脂肪VLDL分画との相関を調べたところ、脂質の分解を示唆する代謝物質20種の濃度が有意に相関していた。これらはROC解析によって新たな自閉症判定のマーカー候補としても有望と期待された。また、この結果から自閉症者の末梢血中ではVLDL脂質の特異的な分解が生じていると推定された。
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