概要 | 粒子状β−グルカンの経口投与が抗炎症性細胞を誘導することにより、全身のサーフェスバリア(腸管、皮膚など)に抗炎症機能をもたらす可能性について検討を行った。粒子状β−グルカンの経口投与により小腸パイエル板にIL-10産生細胞(Tr1様細胞)が増加し、腸炎をはじめとする炎症性疾患を抑制する効果も認められた。In vitro, in vivoにおいて抗炎症性細胞の発現にはIL-10が必須であった。本研究で用いたβ–グルカンは粒子径が均一で腸管や樹状細胞への取り込みも効率的と考えられる。消化管免疫を高めて炎症を予防あるいは治療する新規経口剤の開発と実用化は、医療コストを下げて国民の健康の質を向上する効果をもたらすことが期待される。
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