核酸医薬品創製に向けた多彩な置換基導入が可能なセレノヌクレオシド類の新構築法の開発
研究責任者 |
千木 昌人 金沢大学, 物質化学系, 教授
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研究期間 (年度) |
2013
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概要 | 環内酸素原子を硫黄や窒素などのヘテロ原子に置き換えた擬似糖類はその生理活性の面から近年注目されているが、セレンに置き換えたセレノ糖やセレノヌクレオシド類の合成例は極めて少ない。本研究はセレノカルボニル基(C=Se)の高いジエノフィル性を利用した新しいアプローチであり、セレノヌクレオシド類の合成が短工程で効率よく達成された。具体的には、セレノアルデヒドと1-アセトキシブタジエンとの立体選択的な環化付加と続く立体特異的環縮小により含セレン5員環骨格を構築し、さらにジヒドロキシル化及びセレノプンメラー転位により、非天然型セレノヌクレオシド類の合成に成功した。本手法は多彩な置換基の導入が可能であるため、今後様々な置換基をもつ誘導体の合成を検討するとともに、キラル触媒を用いた光学活性なセレノヌクレオシド類の合成も試みる。
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