低次元分子結晶を用いた電流励起有機レーザーの可能性探索
研究責任者 |
柳 久雄 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授
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研究期間 (年度) |
2013
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概要 | 電流励起有機レーザーを目指して、強発光性でロバストな活性材料として(チオフェン/フェニレン)コオリゴマー(TPCO)結晶を用いて一次元光閉じ込め構造をもつ有機電界効果型トランジスタ(OFET)を作製し、その光励起発光特性とトランジスタ特性を評価した。多結晶蒸着膜を加工した一次元構造において、結晶グレインをマイクロキャビティとする光励起下でのレーザー発振を観測し、そのOFETは正孔のみが注入・輸送されるp型のユニポーラ特性をもつことがわかった。また、TPCOをエピタキシャル成長させたニードル状一次元単結晶を用いてOFETを作製した結果、粒界をもつ多結晶膜一次元構造に比べ、2桁高いmh=3.4×10-1 cm2/Vsの正孔移動度が得られた。しかし、どちらのOFETにおいても電子の注入・輸送は起こらず電流励起発光は観測できなかった。今後、電子注入層の形成と電子トラップを軽減するバッファ層の挿入が必要であると結論づけた。
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