概要 | 高効率太陽光励起レーザーシステムの構築を目指して,浮遊帯溶融法によってCr,Nd:CaYAlO4単結晶を育成し,そのレーザー媒質としての実用化の可能性について検討した.原料の化学組成および育成条件を最適化することにより,高品質結晶の作製技術に関してはほぼ確立することができた.しかしながら,巨大な吸収断面積を示すCr3+の吸収帯における励起ではNd3+によるレーザー発振には現段階では成功していない.吸収されたエネルギーが何らかの機構で熱的に失活して,光エネルギーとしての放出が極めて小さいためと考えられる.今後,当該物質に関して巨大な吸収断面積を活かすために,失活の原因について基礎的な研究を継続しておこなっていく予定である.
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